大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(オ)246 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

論旨第一点は採証法則違反をいうが、所論のように当事者間に仮登記をしないと

いう特約ないし上告人の金策の障害となる負担をつけないという趣旨の特約のあつ

たことは、原審において上告人は何らこれを主張していない。それ故所論は採用す

ることができない。同第二点は、証拠によらず事実を認定した違法があるというが、

原判決は、債務者所有の建物につき代物弁済を契約した債権者がその金銭債務の不

履行の前に右契約に基いて所有権移転の仮登記をすることは、その権利の保全のた

めに登記法上認められているところであるから、債務者との間にかような仮登記を

しない特約があつた場合は格別、そうでない限り、仮登記をしたことは何ら上告人

の金融を妨げたことにはならない旨を判示し、その説明としてD株式会社のとつて

いるような取扱が一般金融業者間にも行われていると認むるに足りるだけの証拠の

ない旨を云つたに止まり、右会杜の取扱が例外であつて、他の金融業者の一般の取

扱と異つたものであることを認定したものでないことは判文上明白であつて、従つ

て原判決には所論のような違法は認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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